「いい店」の選び方が書いてあるというよりは、渡部さんの飲食店との向き合い方がまとめられている本という印象です。
「いい店」の定義として、味、値段、サービス、予約の取りやすさ、キャッチ度を挙げていますが、こういう感じで曖昧な言葉を見えるかするのは凄く重要だと思います。
なぜかこれができている著者が全然いないんですよね。抽象的な言葉をフワッとごまかしている人がほとんどな気がしています。
その点この本はわかりやすいし、最初に定義してくれているので、その後に書いてあることが理解しやすいです。
他にも、店を選ぶ時に各ジャンルで指標にするべき料理が載っているんですけど、それも外食慣れしていない人は勉強になると思います。
例えば、イタリアンだとトマトソースにどれだけ手間をかけているかで判断するとかですね。
ちなみに僕は、イタリアンは乾麺の味で判断しています。
普通のスーパーで売られている乾麺にはそんなに違いを感じないんですけど、プロが仕入れている乾麺には大きな差を感じます。
で、僕が美味しいと思うパスタの乾麺は仕入れ値からして凄く高いです。
だいたい500gで600円とかしますね。業者価格でこの値段ですよ。
なので、乾麺に注目すれば、ちゃんと原価にお金をかけているお店とかけていないお店が見分けられるんですよ。
こんな感じで、渡部さんと自分の指標の違いを感じながら読めるのも本書の楽しさの1つです。
僕が色々な人の話を聞いている限り、食べることに対して自分なりの指標みたいなものが無い人が多い気がするんですよね。
別に食べることに限らず、洋服を買うときだってそうだし、誰かにプレゼントを買うときだってそうだし、旅行先を選ぶときだってなんだってそうなんですけど、もう少し自分なりの指標を持ってほしいなと思うことが多々あります。
どうせお金を使うんだったら、自分なりの指標を持ったほうが楽しいですし、損した気持ちになることも少なくなると思うんですけどね。
外食って日常の延長上にあるというか、誰にとっても身近なテーマなので、この本から学べることは多いと思います。
サクッと読めるので、ぜひ読んでみてください。