意外と聞かれるポイントカードネタ。
僕の考え方は昔から一貫して変わらないので、忘備録的にまとめておきます。
ポイントカードの役割り
そもそも前提が一致していないと話がややこしくなるので、まず最初に「ポイントカードの役割り」を定義したいと思います。
ポイントカードの役割りは、「常連さんを優遇すること」です。
何回も通ってくれている常連さんに対して、ポイントが貯まったらなんかしらのサービスを提供すると。
そして、それがリピート意欲をかきたてて集客につながるのかどうかというお話です。
ポイントカードでお店を選ぶシチュエーションとは?
ポイントカードが集客につながるのかを考える前に、そもそもあなたがポイントカード目当てでお店に行く場合に、どんなシチュエーションで行くのかを考えてみてください。
きっと、そこにヒントが隠されていますから。
おそらく、どこかの街でコンビニがたくさんあった場合に、自分が持っているポイントカードのお店を選ぶとか、近隣に電気屋さんがたくさんあった場合に、自分が持っているポイントカードのお店を選ぶとかじゃないでしょうか。
これは、言い換えると、買うものがすでに決まっていて、その値段がどこも同じ場合に、ポイントカードでお店を選んでいるということになります。
要はポイントカード以外に選ぶ理由がない場合(近いとか営業時間が長いとか)に、ポイントカードで選ばれるという感じです。
ポイントカードで選ばれる業種とは?
以上を踏まえると、ポイントカードで選ばれる業種というのも見えてくると思います。
・コンビニ
・ドラッグストア
・百貨店
・商店街
・スーパー
・家電量販店
・飲食店(主にチェーン店)
あたりでしょうか。
これらに共通するのは、毎日でも通えるお店ということです。
毎日ではなくても、比較的頻繁に通うんだったら、ポイントを貯めたほうが得だよねみたいな感じです。
エステやネイル、整体、マッサージなど毎日通うような業種じゃない場合は、ポイントカードで選ばれることはありません。
選ばれないんだったらやるだけ無駄です。
単純に紙と労働のコストがかかりますからね。
ポイントが貯まるのを喜んでいる人がいる?
この話をすると「でも、お客さんでポイントが貯まるのを楽しみにしている人がいますよ」という意見をいただきます。
もちろん、そういう人もいると思うんですけど、そのお客さんがあなた理想としているお客さんなのかというのを考えてほしいです。
ポイントが貯まることに喜びを感じる人というのは、お店のサービスに価値を感じていて、ポイントや割引きがなくても通いますよーって人と比べたら、どう考えてもお店が理想とするお客さんじゃないわけじゃないですか。
ただ単に、どっちのタイプのお客さんであふれるお店を作りたいんですかって話なんですよね。
もし、ポイントが貯まるのを楽しみにしているような人でいっぱいにしたいというなら、ポイントカードを導入することをオススメします。
ただ、その場合は高い客単価は望めないので、そのつもりで経営してくださいね。
高級店が実際にやっていること
そもそも、ポイントカードを導入しようと考える人って、普段からたいしたサービスを受けていないから、そういう考え方に辿り着くんだと思うんですよね。
僕が通っている客単価1万円以上のお店で、ポイントカードを導入しているお店は1軒もありません。
ただ、それらのお店が常連さんに向けて何もやっていないのかといえばそうではありません。
彼らは、常連さんを違った方法で常連扱いしています。
わかりやすく例をあげるなら、例えば10回通ってヘッドスパが1回無料になるポイントカードがあったとします。
そのヘッドスパ無料というのを、ある日突然「いつも通ってくれているので今日は特別にヘッドスパを無料でやらせていただきますね」と言って、サプライズでやってくれます。
同じヘッドスパ無料でも、
・ポイントが貯まって無料になる
・ある日突然「いつも通ってくれているからお礼で」と言われて無料になる
という2つのシチュエーションを比較したらどちらが嬉しいでしょうか。
おそらく、ほとんどの人が後者だと思います。
最初に書いた通り、ポイントカードの目的は常連さんを優遇することなので、結果的に常連さんが優遇されているんだったら、方法なんてなんだっていいんですよ。
ポイントが貯まっていくというのはただのテクニックでしかないので、そこをはき違えないようにしてくださいね。