実際にコンサルの場面でも、
「ペルソナは30代後半の女性で、都内在住で美容に関心がある人みたいな感じです」
よくこんな風に言われます。
そして、そんな方の多くが「ちゃんとペルソナ設定しているのに、ぜんぜん反応がないんですよね…」と悩まれています😣
ペルソナ設定とターゲット設定がごっちゃになってしまっている、うまくいっていないパターンですね。
このパターンに嵌ってしまう人はかなり多い印象がありますが、ここがペルソナ設定の一つの難関なんだと思います。
この記事で、「ターゲット設定」と「ペルソナ設定」はまったく違うものだということが理解できると思うので、ちゃんと理解して次のステップに進みましょう💪
ターゲット=属性で分けること
「ターゲット設定」の例をお見せしますね。
こういう風に、「属性」で分類していくのがターゲット設定。
ざっくりした方向性を見定めるには便利ですが、これだけでは心に刺さる発信はできません。
たとえば、35〜45歳の女性会社員と言っても、
🏠 実家暮らしのOL
🏢 ひとり暮らしの管理職
👶 2児のワーキングママ
では、時間の使い方も、悩みも、生活も、まったく違いますよね?
でもターゲット設定だけで止まってしまうと、「誰にも嫌われないけど、誰の心にも届かない」発信になってしまうんです。
これは、例えるなら「関東地方の人」に向けて道案内をしているようなもの。
茨城県の人と神奈川県の人では、目的地への行き方も、使う電車も、かかる時間もまったく違います。
「関東の方へ」では具体的すぎて、結局誰の役にも立たない案内になってしまうのと同じです。
ペルソナ=人生を理解すること
一方、ペルソナ設定とは「たった1人の具体的な人物像を描くこと」。
もっと踏み込んで言えば、その人の”人生”や”背景”を理解していくのがペルソナ設定の本質です。
たとえば、こんなふうに描きます。
名前(仮名):西田彩香
年齢:38歳
住まいの地域:東京都練馬区/実家のマンション
家族構成:両親、中1の息子と4人暮らし(シングルマザー)
職業・働き方:医療事務(フルタイム勤務、週5日9:00〜18:00)
年収・家計状況:年収400万円前後/養育費はもらっていない
ライフスタイル:朝は子どもを送り出し、帰宅後は食事・洗濯・翌日の準備。土日は買い出しと息抜きにカフェ。
日常の悩み:体の疲れが取れにくくなってきた/朝のメイクに時間がかかる
美容に関する悩み:まぶたが重くなりアイメイクが決まらない/肌のくすみ/眉の形が左右非対称
時間の使い方:朝は慌ただしく、夜はスマホタイム。サロンに行けるのは平日の午後か土曜の午前中。
性格・価値観:頑張り屋・我慢しがち・自己投資は「意味があること」なら惜しまない
好きなもの・こと:カフェで過ごす時間/YouTubeでヘアアレンジや節約レシピを観る
美容に対する意識:高くはないが「最低限の清潔感」は大切にしている
情報収集手段:Instagram/Google検索/美容YouTuber
購入・来店の決め手:口コミの良さ/勧誘がない/予約の取りやすさ
サロンに求めること:技術より「安心感」/話しすぎず静かに過ごせる接客
過去のサロン体験:以前マツエクでしみて辞めた/眉毛サロンで強引な勧誘をされた経験あり
サロンに不安な点:強引な営業/仕上がりが派手すぎること/高すぎるメニュー
施術後にどうなりたいか:ナチュラルに印象をよくしたい/「最近キレイになった?」って言われたい
将来の理想像:無理しすぎず、気楽に自分を好きでいられる日常を送りたい
この彩香さんに向けて発信するのと、「25〜35歳女性 都内在住」という属性だけで書くのとでは、選ぶ言葉も、伝え方も、メニュー名もまったく変わってくるはずです。
具体例で見る違い
例えば、まつげパーマのメニュー名を考えてみましょう。
ターゲット設定だけの場合: 「30代女性向けまつげパーマ」 「働く女性のためのナチュラルまつげパーマ」
ペルソナ設定の場合(彩香さん向け): 「朝5分短縮!お疲れまぶたもぱっちり見えるまつげパーマ」 「『最近キレイになった?』って言われる、ナチュラル美人まつげ」
この違い、わかりますよね。
ペルソナ設定をした方は、彩香さんの「朝のメイク時間がかかる」「まぶたが重くなってきた」「ナチュラルに印象をよくしたい」という具体的な悩みや願望に直接響く言葉になっています。
これは、まるで友人が「あなたにピッタリのお店見つけたよ!」と教えてくれているような感覚です。
一方、ターゲット設定だけの場合は、「誰に向けて書いているかわからない」広告のような印象になってしまいます。
誰にでも届く言葉は、誰にも刺さらない
これは発信でも、メニュー名でも、接客でも同じことですが、「ざっくりとした誰か」に向けた言葉は、記憶にも感情にも残りません。
例えるなら、
❌ 「みなさん、お疲れ様です」(誰に向けて言っているかわからない)
⭕ 「毎朝5時半に起きて家族の世話をしている彩香さん、今日も本当にお疲れ様です」(具体的で心に響く)
逆に、「あ、この人、私のことわかってる…」と思えるようなメッセージには、人は自然と引き寄せられていきます。
だからこそ、ペルソナ設定はたった1人に届く言葉を探す作業なんです。
レストランの例で考えてみる
意外と同業の例だと理解できない人も多いので、分かりやすい例として、飲食店の例で考えてみましょう。
ターゲット設定のレストラン: 「20代〜40代の男女向けの美味しい料理を提供します」
ペルソナ設定のレストラン: 「仕事帰りに一人でゆっくり過ごしたい30代女性のための、カウンター席メインの小さなビストロ。おひとり様でも気兼ねなく、ワインと軽食を楽しめます」
どちらに行きたくなりますか?
後者の方が「あ、私のためのお店だ」と感じる人が多いはずです。
ターゲット設定も必要だけど、それだけでは不十分
ターゲット設定は、決してやっても無駄な作業というわけではありません。
コンサルの現場でペルソナを設定をする時も、まずはターゲットを設定して、その中から当てはまる人をペルソナに設定するという順番を取ります。
なので、ターゲット設定は必要です。
でもターゲット設定だけでは、発信も接客も薄くなってしまう。
これは料理に例えるなら、
ターゲット設定=「和食を作る」(方向性は決まっているが、具体的ではない)
ペルソナ設定=「疲れて帰ってきた一人暮らしの女性のための、15分で作れる優しい味の肉じゃが」(具体的で心に響く)
だから、「もう少し深くその人を知る」=ペルソナ設定が必要なんです。
もしあなたが今、
「投稿しても反応がない」
「発信に手応えがない」
「紹介が増えない」
と悩んでいるなら、ターゲット設定の一歩先へ進むタイミングかもしれません。
ペルソナを設定すれば、
“伝える言葉”が変わり、
“選ばれる理由”が生まれ、
“サロンの魅力”が届く
ようになります。
それが、あなたのサロンを「ブランド」に変えていく第一歩です✨
年齢:35〜45歳
性別:女性
住んでいる場所:東京都
職業:会社員 年収:400万円〜600万円