「インスタに投稿しても反応がない」
「ホットペッパーの文章、これで合っているのか不安」
「LINEを送るたびにブロックされる」
こんな悩みを抱えている美容サロン経営者の方、実は多いのではないでしょうか?
その原因は、あなたの発信力や文章力がないからではありません。
「誰に届けたいのか」が定まっていないだけなんです。
この記事では、個人サロン経営における「ペルソナ設定」のすべてを、基礎から実践まで徹底的に解説します。
僕が15年以上、個人サロン相手にコンサルティングをしてきて、多くのサロン経営者が躓いたところをすべて反映した内容になっていますので、ちょっと長いですが頑張って読んでください。
この記事を最後まで読めば、ペルソナ設定の本質が理解でき、明日からの集客活動が大きく変わるはずです。
目次
- そもそもペルソナ設定とは?
- ペルソナ設定は本当に必要なのか?
- ターゲット設定とペルソナ設定の決定的な違い
- ペルソナ設定をすべき5つの理由
- ペルソナ設定でよくある5つの失敗
- 実践!美容サロンのペルソナ設定方法
- よくある質問(Q&A)
1. そもそもペルソナ設定とは?
ペルソナ設定とは、「あなたのサービスを最も必要としている、たった1人の理想のお客様」を具体的に設定することです。
一般的には「架空の人物像を作ること」と説明されますが、美容サロンの場合は少し違います。
実在するお客様をベースに、その人の悩み、価値観、ライフスタイルまで深く理解し、その人に向けて発信・接客を設計していくのが、サロン経営におけるペルソナ設定の本質です。
ペルソナ設定の具体例
例えば、こんな感じです。
【ペルソナ例】
- 名前:西田彩香さん(仮名)
- 年齢:38歳
- 住まい:東京都練馬区(実家のマンション)
- 家族構成:両親、中1の息子と4人暮らし(シングルマザー)
- 職業:医療事務(フルタイム勤務、週5日9:00〜18:00)
- 年収:約400万円
- 日常の悩み:体の疲れが取れにくい、朝のメイクに時間がかかる
- 美容の悩み:まぶたが重くなりアイメイクが決まらない、肌のくすみ
- 性格:頑張り屋、我慢しがち、自己投資は「意味があること」なら惜しまない
- サロンに求めること:技術より「安心感」、話しすぎず静かに過ごせる接客
- 施術後の理想:ナチュラルに印象をよくしたい、「最近キレイになった?」って言われたい
このように、たった1人の人物を具体的に思い浮かべられるレベルまで設定するのがペルソナ設定です。
2. ペルソナ設定は本当に必要なのか?
結論から言うと、必要だと思う人はやればいいし、不要だと思う人はやらなくていいと思います。
ただし、現実的には8〜9割の美容サロン経営者にとって、ペルソナ設定はやったほうがいいというのが僕の考えです。
ペルソナ設定のメリット・デメリット
【メリット】
- 自信を持って発信ができるようになる
- 文章を書く時間が大幅に短縮される
- 理想のお客様が来店してくれるようになる
- リピート率が上がり、売り上げも上がる
- 価格競争から抜け出すことができ客単価が上がる
- 競合と比較されたときに選ばれやすくなる
- スタッフのミスマッチが減る
- 紹介が生まれやすくなる
【デメリット】
- 好き勝手書けなくなる
ペルソナ設定をするということは、お客様に合わせるということです。
「私に合わない人は来なくていい!」というタイプの人には向いていません。
ペルソナ設定をやらなくていい人
以下のような人は、ペルソナ設定をしなくても大丈夫です。
- 提供しているものがオンリーワンな人
- 好き勝手発信してインフルエンサーになりたい人
- すでにうまくいっていて、今のお客さんに満足している人
逆に、状況を変えたい、安定した経営をしたいと思っている人は、ペルソナ設定をやったほうがいいでしょう。
悩んでいる時間がもったいない
ペルソナ設定はノーリスクです。
- お金はかからない
- 時間的なリスクもない
- むしろ、文章を書く時間が早くなる
やるかやらないかで悩んでいる時間は、人生において本当に無駄です。
悩むなら、やってから悩むようにしましょう。
3. ターゲット設定とペルソナ設定の決定的な違い
「ペルソナ設定しているのに、ぜんぜん反応がないんですよね…」
こう悩んでいる人の多くが、実はターゲット設定をペルソナ設定だと思い込んでいるケースがほとんどです。
ターゲット設定=属性で分けること
ターゲット設定の例を見てみましょう。
- 年齢:35〜45歳
- 性別:女性
- 住んでいる場所:東京都
- 職業:会社員
- 年収:400万円〜600万円
このように、「属性」で分類していくのがターゲット設定です。
ざっくりした方向性を見定めるには便利ですが、これだけでは心に刺さる発信はできません。
たとえば、35〜45歳の女性会社員と言っても、
- 実家暮らしのOL
- ひとり暮らしの管理職
- 2児のワーキングママ
では、時間の使い方も、悩みも、生活も、まったく違いますよね?
ターゲット設定だけで止まってしまうと、「誰にも嫌われないけど、誰の心にも届かない」発信になってしまうのです。
ペルソナ設定=人生を理解すること
一方、ペルソナ設定とは「たった1人の具体的な人物像を描くこと」です。
もっと踏み込んで言えば、その人の”人生”や”背景”を理解していくのがペルソナ設定の本質です。
先ほどの西田彩香さんの例のように、
- どんな家族構成で
- どんな仕事をしていて
- どんな悩みを抱えていて
- どんな言葉に心を動かされるのか
ここまで具体的に設定します。
具体例で見る違い
例えば、まつげパーマのメニュー名を考えてみましょう。
【ターゲット設定だけの場合】
- 「30代女性向けまつげパーマ」
- 「働く女性のためのナチュラルまつげパーマ」
【ペルソナ設定の場合(彩香さん向け)】
- 「朝5分短縮!お疲れまぶたもぱっちり見えるまつげパーマ」
- 「『最近キレイになった?』って言われる、ナチュラル美人まつげ」
この違い、わかりますよね。
ペルソナ設定をした方は、彩香さんの「朝のメイク時間がかかる」「まぶたが重くなってきた」「ナチュラルに印象をよくしたい」という具体的な悩みや願望に直接響く言葉になっています。
誰にでも届く言葉は、誰にも刺さらない
「みなさん、お疲れ様です」(誰に向けて言っているかわからない)
より、
「毎朝5時半に起きて家族の世話をしている彩香さん、今日も本当にお疲れ様です」(具体的で心に響く)
の方が、心に残りますよね。
ペルソナ設定はたった1人に届く言葉を探す作業なんです。
4. ペルソナ設定をすべき5つの理由
ここからは、美容サロン経営者がペルソナ設定をすべき具体的な理由を5つ解説します。
理由1:集客の「軸」が明確になり、発信に自信が持てるようになる
「続けるのが苦しい…」
「伝わってる気がしない…」
「このままじゃダメな気がする…」
発信に迷いが出るのは、相手が見えていないからです。
たとえば、家族や恋人、友達にLINEを送る時に、「どんな言葉を使えばいいか」で悩むことってないですよね。
なぜなら、相手のことを知っているから。
逆にPTAや父母会のお知らせLINEのような、「誰が読むか分からない」状態で文章を書くのはとても難しく、差し障りの無い文章になってしまいます。
ペルソナを設定すると、発信に自信が持てる
「誰に届けるか」を明確に設定できたら、軸ができるので言葉にブレがなくなります。
- 「あ、これ私のことだ!」とお客様が反応しやすくなる
- 投稿に一貫性が出て、「世界観があるね」と言われるようになる
- 書くべき内容が自然と浮かび、悩む時間が減る
- 予約につながる投稿が増える
- 自分の発信に手応えを感じられるようになる
例えば「夜勤による自律神経の乱れに悩む43歳の看護師」に向けて発信するなら、
「深部からとろけるヘッドスパで、自律神経を整え、夜勤明けでもぐっすり眠れるように」
みたいな文章が書けるようになります。
ペルソナ設定していないとどうなるかというと、
「ヘッドスパで不眠解消!毎日ぐっすり眠れるようになります!」
みたいなありきたりな文章になりがちです。
誰のために書いているのかが明確だから、言葉に芯が生まれ、発信に自信が持てるようになるのです。
理由2:「価格」ではなく「価値」で選ばれるようになるので価格競争に巻き込まれなくなる
「〇〇円ならやってもいいかな」
「高いね〜。〇〇はもっと安くやってくれるよ」
「お友達価格ないの?」
こんなふうに、心無いことを言われてメンタルをやられていませんか?
価格競争に巻き込まれる原因
価格競争が始まってしまう本質は、伝わっている価値が同じだからです。
牛丼業界がわかりやすいですが、多くの人にとって、吉野家・松屋・すき家の価値は同じです。
一部の熱狂的なファンを除けば、3社とも同じに見えるので、近くて安いところに行くわけです。
美容サロンが価格競争に入る場合も同じです。
お客さんから見て、提供している価値が同じだと判断されているお店は価格競争に入ります。
よくありがちなのが、
- 特定のメニュー名
- 価格
- 立地
- 施術時間
- 営業時間
などを打ち出しているパターン。
試しに「新宿 まつげパーマ」で検索して出てきたホットペッパーのキャッチコピーを見てみてください。
おそらく、どのお店も同じに見えるのではないでしょうか。
ペルソナを設定すると、価値が伝わる相手に届く
ペルソナを具体的に設定することで、その人が求めている価値や悩み、ライフスタイルに合わせた表現ができるようになります。
ペルソナが定まっていないと、
- 「特定のメニュー名」
- 「低価格」
- 「高品質」
- 「スピード施術」
- 「好立地」
といった、他のサロンでも言っているような当たり障りのない言葉に頼ってしまいがちです。
一方でペルソナが明確だと、こんな言葉が書けるようになります。
「夕方の鏡に映る自分を見て落ち込まない。朝のメイクが夜まで続く、ママのためのまつげパーマ」
「40代以降の肌に特化したフェイシャル。乾燥・くすみ・たるみに集中アプローチ。月1で『若返った?』って言われたいあなたへ」
こうした言葉は、価値を感じてくれる相手にしっかり届きます。
価格を比べるより先に、「これ私に必要!」「ここは私のためのお店だ!」と思ってもらえるから、値段を下げなくても選ばれるサロンになれるのです。
理由3:リピート率が上がり、売り上げが安定する
「毎月新規集客に追われてしんどい…」
「せっかく来てくれたのに、リピートにつながらない…」
「売上の波が激しくて、気持ちが落ち着かない…」
集客してもリピートにつながらなければ、売り上げはいつまで経っても運に左右されるギャンブルのようなものになってしまいます。
なぜ、リピートされないのか?
リピート率が低いサロンにありがちな共通点を見てみましょう。
- お客様の年齢や雰囲気がバラバラ
- メニューや提案が「誰に向けたものか」曖昧
- 来店時の印象と、SNSやブログの印象が一致していない
- カウンセリングがお客様の要望を聞くだけになっている
こうした状態では、お客様は「なんとなく行ってみたけど、また行く理由がない」と感じてしまいます。
もし、あなたがリピートされなくて悩んでいるのだとしたら、その本質は苦手なお客さんを相手にしているからだと思います。
あなたと相性が良い人は「自分のための場所」に感じてくれます。
ペルソナ設定は「共感」と「提案」の軸をつくる
ペルソナが明確だと、
- カウンセリングで何を聞いて何に寄り添えばいいのかが分かる
- メニューの提案もその人の悩みや生活に合わせられる
- ブログやSNSでも言葉選びが統一される
- 「この人のためにやっている」という軸ができる
という状態になります。
結果、「あ、ここは自分のことを分かってくれる」と思ってもらえるようになり、再来店につながるのです。
リピート率が上がると、経営がラクになる
リピート率が上がると、どんなメリットがあるのでしょうか?
一言でいえば、「毎月の売上が読みやすくなり、経営に安心感が生まれる」ことです。
たとえば、月に10人新規が来て、そのうち2人しか次回来なければ、毎月また10人を集客する必要があります。
でも、10人中8人が継続して通ってくれるようになれば、次の月に必要な新規数は半分以下で済むようになっていきます。
この積み重ねが、次第に「新規頼り」から脱却し、”リピーター売上で土台ができているサロン”に育っていきます。
- 売上が読める
- ホットペッパーやメタ広告などの広告費をかけずに済む
- 無理な値下げをしなくていい
- メンタルのアップダウンが減る
この状態こそが、ペルソナ設定を通じて手に入れられる、安定した経営の正体です。
理由4:「選ばれる理由」が明確になると、お客様にとって”ブランド”になる
「このサロンじゃなきゃダメって思ってもらいたい」
「もっと”あなたにお願いしたい”って言われたい」
「自分のサロンをブランドとして確立したい」
これは多くの美容サロンオーナーが抱く願いです。
でも現実には、
- 価格や立地で比べられる
- なんとなく選ばれて、なんとなく離れていく
- 紹介や口コミが思うように広がらない
こんな悩みを抱えている方が多いのも事実です。
その理由はシンプル。「なぜこのサロンを選ぶべきか」が、お客様に伝わっていないからです。
ペルソナ設定でコンセプトが見えるようになる
例えば、あなたが以下のようなペルソナを設定したとします。
「毎朝5時半起きでお弁当を作り、仕事と家事の両立でいつも時間に追われている38歳のワーキングマザー」
この1人のためにサロンを設計すると、すべてが変わります。
- メニュー名や施術内容が「時短」「持ちの良さ」「崩れにくさ」に特化
- 発信の言葉も「朝の自分に余裕を」「午後でもメイク崩れなし」など具体的に
- 接客でも「お迎え時間までの余裕」「家族との時間の大切さ」などへの共感ができる
つまり、その人にとっての必要なサロンに自然となっていくのです。
ブランドとは、比較されるまでもなく選ばれている物
ブランドと聞くと、ロゴや内装、統一感のあるSNSなどの「見た目」が先に思い浮かぶかもしれません。
でも本質は違います。
ブランドとは、比較されるまでもなく自動的に選ばれているものです。
わかりやすく言えば、
「○○(例:ネイルサロン)といえばあなたのお店」
と思われている状態がブランドになれている状態です。
ペルソナが明確になれば、
- 発信の言葉に芯が通る
- 提案やメニューが「その人のため」になる
- 接客にも自然と自信が生まれる
- 自分自身の迷いも消える
結果として、「このサロンには選ばれる理由がある」とお客様に伝わり、ブランド化が始まります。
理由5:あなたのお店に合ったスタッフを雇うことができる
美容サロン経営で、スタッフに関する悩みは尽きません。
「採用してもすぐ辞めてしまう」 「価値観が合わず、接客の温度差がある」 「お客様から”前のスタッフと違って雑だった”とクレームがくる」 「理念や方向性に共感してくれない」
実はこのミスマッチを防ぐためにも、ペルソナ設定がとても重要な役割を果たします。
ペルソナがあるから、「誰と一緒に働くべきか」が見えてくる
たとえば、あなたがペルソナとしてこんな方を想定していたとします。
- 42歳
- 仕事と家庭を両立する働く主婦
- 目元のたるみが気になりつつも、職場でも清潔感を保ちたい
- 毎朝のメイクがストレス
このような方を対象にサロンを運営している場合、以下のようなスタッフ像が見えてきます。
- 丁寧で落ち着いた対応ができる
- 清潔感と安心感がある見た目や言葉遣い
- 相手の悩みに共感しながら、穏やかに提案できる
- 年上の女性にも物おじせず、敬意を持って接することができる
逆に、トレンド先行型でカジュアル系接客のスタッフを採用してしまったら、お客様との接客に温度差が生まれ、次第に違和感が蓄積してしまいます。
これは、スタッフ本人が悪いわけではなく、お店のペルソナに合っていないだけです。
スタッフも「誰のために働いているか」が分かると、仕事に誇りを持てる
もうひとつ大きなメリットがあります。
それは、働くスタッフ自身も「このサロンはこういう人のためにあるんだ」と理解できること。
自分が何のために、誰を笑顔にするために働いているのかが見えたとき、スタッフは”ただの労働者”ではなく、”チームの一員”としての誇りを持ち始めます。
- カルテの書き方に気を配れるようになる
- 提案の内容も「お客様の生活」を想像できるようになる
- クレームではなく「信頼のチャンス」と捉えられるようになる
スタッフごとに得意なお客様が違うというのは、一見、幅広いお客様に対応できてプラスのように感じると思いますが、そのスタッフが辞めた時にゴッソリお客様も離脱してしまうので、お店にお客様が定着しません。
それだと、なにも積み重ならず経営者として疲弊していくだけなので、ペルソナ設定をちゃんとしてその流れを断ち切りましょう。
5. ペルソナ設定でよくある5つの失敗
ここからは、ペルソナ設定をしたのにうまくいかない人がやりがちな失敗パターンを5つ解説します。
失敗1:ターゲット設定をペルソナ設定だと思い込んでいる
実際にコンサルの場面でも、
「ペルソナは30代後半の女性で、都内在住で美容に関心がある人みたいな感じです」
よくこんな風に言われます。
そして、そんな方の多くが「ちゃんとペルソナ設定しているのに、ぜんぜん反応がないんですよね…」と悩まれています。
ペルソナ設定とターゲット設定がごっちゃになってしまっている、うまくいっていないパターンですね。
このパターンに嵌ってしまう人はかなり多い印象があります。
すでに解説した通り、ターゲット設定は属性で分けること、ペルソナ設定は人生を理解することです。
「30代後半の女性、都内在住」というのはターゲット設定であり、ペルソナ設定ではありません。
もっと深く、その人の日常、悩み、価値観まで掘り下げる必要があります。
失敗2:実在しない架空の人物を設定してしまう
「ペルソナを設定してみたけど、なんだかしっくりこない」 「設定したのに、結局発信に活かせていない…」
そんな違和感を抱えているサロン経営者の方は、実は少なくありません。
これは、架空の人物を設定してしまっているのが原因であることが多いです。
そもそもペルソナというのは、架空で設定するものです。
Googleで検索したら、AIからこのような答えが返ってきました。
「ペルソナは、ターゲット顧客をより具体的に表現した、架空の人物モデルです。例えば、年齢、性別、職業、年収、家族構成、趣味、ライフスタイル、価値観など、詳細な情報を設定します。」
なので、多くの人が架空で設定してしまうのは仕方が無いし、やり方としては間違ってはいません。
でも、個人サロンの場合、架空のペルソナを設定するとうまくいかないケースがほとんどです。
失敗の典型例:「机上の空論」になってしまう
ここでいう”架空の人物”とは、実在しない理想像や、都合のいいお客様像を寄せ集めて作ったペルソナのこと。
例えば、
- 「こんなお客様が来てくれたらいいな」と頭の中だけで作る
- ChatGPTやAIツールに丸投げして、そのまま使う
- 来ているお客様の良いところ(20代・美容意識高い・高収入)を組み合わせる
このような感覚で設定したペルソナは、現場のリアルや、実際のお客様の言葉が含まれていないので、実際に媒体に反映させようと思った時に、どうしても「机上の空論」になってしまいがちです。
お客様の「良いとこ取り」も、実は危険
「うちのサロンって、20代後半で美容に関心が高くて、収入もそこそこあって、丁寧に通ってくれる人が理想…」
もちろん、理想像を描くのは大切なことです。
でも、”全部が都合のいい条件”でまとめられたペルソナは、実在する確率が非常に低い。
現実には、
- 時間はあるけどお金がない人
- お金はあるけど時間がない人
- 美容意識は高いけどめんどくさがりな人
そんな”ギャップ”や”矛盾”を抱えた人が、あなたの大切なお客様です。
矛盾や感情の揺れがあるからこそ、共感が生まれ、あなたのサービスに価値が生まれるのです。
解決策:「実在する誰か」を思い出すことから始めよう
架空ではなく、リアルなペルソナを設定する一番の方法は、「実際に来てくれたことのあるお客様」や「今も通ってくれているあの人」を思い浮かべることです。
- なぜその人はサロンに来てくれたのか?
- どんな悩みを抱えていたのか?
- 初回のカウンセリングで、どんな言葉を口にしていたか?
このように、実在する”あの人”を思い出しながら、人物像を深掘っていくと、自然にリアルなペルソナが出来上がってきます。
失敗3:細部への細かい設定にこだわりすぎる
ペルソナ設定を真剣に学ぼうとする人ほど、よく陥ってしまう罠があります。
それが「細部を完璧に埋めようとしすぎる」ことです。
ワークシートを前にして、
「出身高校はどこ?」
「高校時代の担任はどんな人?」
「初恋はいつ?」
「初めて飼ったペットの名前は?」
気がつけば、集客や発信とはほとんど関係のないプロフィールづくりに時間をかけてしまっているなんてことがよくあります。
細部を埋めることは、理解ではなく”自己満足”になりがち
「高校時代の担任はどんな性格だったか?」 「大学で専攻していたのは文学?経済?」 「初めて海外旅行に行った国は?」
こうした情報が、美容サロンの発信や集客導線の設計にどれだけ役立つでしょうか?
正直に言えば、ほとんどのケースでまったく使えない情報です。
それでも私たちは、ついこうした細部にこだわってしまいます。
なぜなら、細部を埋めていくことで、ちゃんと作っている感じがして安心するからです。
大事なのは、感情と行動の背景を読み解くこと
お客様の「高校時代の担任」よりも、
- 「なぜこのサロンを選んだのか」
- 「どんな悩みを抱えていたのか」
- 「どんな言葉に心を動かされたのか」
こうした行動の裏側にある感情のほうが、よほどサロン集客には役立ちます。
- 自信がないのを隠すために、毎日アイラインを引いている
- すっぴんを見せるのが恥ずかしくて温泉旅行を断った
- 会社で若い子と並ぶたびに年齢を感じてしまう
こういった本音にフォーカスできると、発信の切り口も、提案の言葉も変わります。
完璧より”共感”を目指すペルソナ設定を
あなたの時間とエネルギーは、「高校時代の担任」を考えるためにあるわけではありません。
大事なのは、「この人の気持ち、わかるかも」と思えるリアルな相手像を設定することです。
だからこそ、細部を完璧に埋めることではなく、“相手の感情にどこまで寄り添えるか”にフォーカスしてください。
情報の多さより、共感の深さ。
これが、あなたのサロンを選んでもらえるペルソナのつくり方です。
失敗4:自分が理解できない相手をペルソナに設定する
「高単価サロンにしたいから、富裕層の女性をペルソナに設定しました」 「経営者向けにした方が単価が上がりそうなので、ターゲットを切り替えます」
ペルソナ設定の現場では、こういった声をよく耳にします。
もちろん、”理想のターゲット”を描くことは悪いことではありません。
ですがここでひとつ、とても大切な落とし穴があります。
それが、「自分が理解できない相手をペルソナにしてしまう」という失敗です。
ステージが違いすぎる相手は、共感しづらい
たとえば…
- 年収2,000万円、外資系企業でバリバリ働いている女性
- 忙しくても美容医療にお金を惜しまない40代の港区マダム
- 子育てと介護と経営を同時にこなすスーパーウーマン
こうした人物像は、たしかに魅力的に見えるかもしれません。
でも、あなたがその人の感情や日常にリアルな理解を持てていないなら、文章も提案も、薄っぺらくなってしまいます。
- どんな言葉に反応するのか
- どんな小さな悩みに引っかかっているのか
- なぜその価格でも通いたいと思うのか
その背景をなんとなくでしか語れないと、自然と「刺さらない発信」になります。
設定と理解は、必ずセットでなければならない
ペルソナ設定というのは、”設定すること”自体に意味があるのではなく、「その人のリアルな日常や悩みを、あなたがどれだけ理解しているか」が重要なんです。
たとえば、以下のような状態では失敗する確率が高くなります。
- 実際にその層のお客様に会ったことがない
- どこで何にお金を使っているのか想像できない
- どういう時に不安を感じ、どうやって判断をするのかが分からない
プライベートの場でも理解できない人を相手にしても、会話は噛み合いませんよね?
ペルソナ設定も同じです。
「高単価=富裕層」は危険な思い込み
とくに最近、「高単価にしたいから富裕層をペルソナにする」という話をよく聞きます。
でも実際には、富裕層=高単価OKなお客様とは限りません。
むしろ、経営目線で冷静に判断する分、価格や価値にとてもシビアな方も多いのです。
それよりも、
- 普段は節約しているけど、美容だけは自己投資と考えている40代女性
- 子育てが落ち着いて自分のケアを再開したい主婦
- 人前に出る仕事で「見た目の清潔感」が必須な接客業の方
こうした「価値を理解し、投資する理由を持っている人」のほうが、実は高単価サロンに向いていることも多いのです。
解決策:「今、あなたが一番リアルに理解できる人」に戻る
- 悩んでいたころの自分に似ている人
- よく来てくれているあの常連さん
- 仲がいい友達
こうした実感のある誰かをベースにペルソナを組み立てると、自然と、言葉も、導線も、提案も、芯のあるものになります。
そして不思議と、その人に似たようなお客様が、集まってくるようになるのです。
まずは自分の身の丈に合ったペルソナを設定し、新規の予約を断るくらいになってきたら、その時にペルソナを変えるというやり方を目指しましょう。
失敗5:ペルソナを設定したのに集客媒体に反映されていない
せっかく時間をかけてペルソナを設定したのに、
「インスタやホットペッパーに反映されていない」 「ペルソナに近い人が来店してくれない」
そんな状態に陥っている人は少なくありません。
これは、あなたの努力が足りないからでも、設定が間違っていたからでもありません。
ペルソナを媒体に反映させるというステップに意識が向いていないだけなんです。
ペルソナとズレた発信をしていませんか?
よくあるのが、「女性向け」のペルソナを設定しているのに、同じInstagramアカウントで急にメンズメニューを紹介し始めてしまうようなケース。
これでは、お客様側も混乱してしまいます。
「このサロンって、誰向けなの?」 「私に必要な情報が発信されていないな」
と、せっかく興味を持った人も、離脱してしまうのです。
せっかく「誰に届けるか」を決めたのに、そこから発信・導線・サービス構成に反映できていないのは、とてももったいないこと。
理解が浅いと、言葉がズレていく
発信がペルソナとズレていく理由のひとつは、そもそもペルソナの価値観や言葉遣いをちゃんと理解できていないこと。
たとえば、20代の女性がペルソナなのに、
- 使う言葉が古くさい
- 投稿のトーンがオバサンっぽい
- 写真が若々しさに欠ける
そんな発信では、当然「自分ごと」になりません。
だからこそ、ペルソナの感覚を”体感として理解する”ことが必要なんです。
雑誌はペルソナ理解の最強ツール
一番オススメなのが、ファッション雑誌を読むことです。
なぜならファッション誌は、
- 年齢やライフスタイルごとにセグメントされている
- そのペルソナに合った世界観、言葉遣い、価値観が凝縮されている
- プロの編集者がリサーチを代わりにやって”響く表現”を厳選している
という意味で、ペルソナ理解の”答え合わせ”になるからです。
オススメの雑誌は、
- 20代前半の女性なら「non-no」「ViVi」
- 30代前半のキャリア系なら「BAILA」や「Oggi」
- 40代以上で上質志向の人なら「eclat」「Marisol」
あたり。
それぞれの雑誌に目を通すだけで、「この人たちは、こんなふうに言葉を選び、こんな世界観を求めているんだな」というのが直感的に分かってきます。
設定するだけでなく、「使う」ことが大切
ペルソナ設定がうまくいかない人の多くは、「設定まではがんばったけど、そこから先どう使えばいいか分からなかった」という状態です。
でも、それはあなたのせいではありません。
多くのコンサルタントや講師は、「設定しましょう」までは教えてくれても、「そこからどう活かすか」までは具体的に教えてくれないからです。
だからこそ、設定したペルソナを、
- 投稿文章のトーンに反映させる
- 使用する言葉をその層が好むものにする
- 写真や色味、雰囲気も好みに寄せる
- 提案メニューや打ち出し方を合わせる
というふうに、見える形でアウトプットに繋げていく必要があるのです。
ペルソナは、「作った時点で満足してしまう」人がとても多い領域です。
でも、設定したペルソナは”経営のすべて”に落とし込んでいくからこそ、意味が出てくるのです。
そしてそのためには、まず相手を理解すること。
- ペルソナにリサーチをする
- ペルソナのインスタを見る
- ペルソナが読んでいる雑誌を読む
- ペルソナが通っているお店に行ってみる
これらのことをやっていくことによって、ペルソナ理解が進み、理解したことを媒体に反映させることであなたの状況が変わっていきます。
設定して終わりにしない。
ペルソナを、活かせる視点で、今日からもう一歩深めていきましょう。
6. 実践!美容サロンのペルソナ設定方法
それでは、実際にペルソナを設定していきましょう。
ステップ1:実在するお客様を1人選ぶ
まずは、今まで来てくれたお客様の中から、1人選びます。
選ぶ基準は、
- 一緒にいて心地よかった人
- 提案がスムーズに通った人
- リアクションが素直だった人
- この人のためなら頑張れると思える人
誰でもOKです。
「理想のお客様がいない」という場合は、「今いる中でマシな人」を選びましょう。
ペルソナは途中で変えてもOKなので、まずは仮でもいいから設定することが大切です。
ステップ2:ペルソナ設定項目を埋める
選んだお客様をベースに、以下の項目を埋めていきます。
【基本情報】
- 名前(仮名でOK)
- 年齢
- 所在地
- 最寄り駅
- 職業
- 勤務形態
- 役職
- 家族構成
- 年収
【美容・ライフスタイル】
- 美容にかける月額予算
- 美容への取り組み状況
- 美容に対する価値観
- ライフスタイル
- 平日・休日のスケジュール
- 予約の取り方
- 来店頻度
【外見・悩み】
- 外見・身体的特徴
- コンプレックス
- 症状
- 悩み
- ベネフィット(施術後にどうなりたいか)
- 求めているメニュー
【情報収集・行動】
- 普段触れている情報
- よく使うSNS
- スマホの利用時間帯
- お店を選ぶ基準
- お金を払う理由
- 新しいことへの挑戦度合い
- 口コミや紹介への反応度
【接客】
- 接客スタイル(どんな接客を求めているか)
- 施術中の過ごし方
- アフターフォロー
すべての項目を埋める必要はありませんが、できるだけ具体的に埋めることで、ペルソナの解像度が上がります。
ステップ3:ペルソナにリサーチをする
項目を埋めたら、次は実際にそのペルソナ(お客様)にリサーチをします。
架空のペルソナではなく、実在する人をペルソナに設定する最大のメリットは、直接聞けることです。
- 「どうしてうちのサロンを選んでくれたんですか?」
- 「どんな悩みがあって来店されたんですか?」
- 「どんな言葉に心を動かされましたか?」
- 「普段どんな雑誌を読んでいますか?」
- 「どんなInstagramアカウントをフォローしていますか?」
こうした質問を通じて、ペルソナの内面をさらに深く理解していきます。
このリサーチ結果を言語化し、それを媒体に反映していくことで、ペルソナに近い人が集まりやすくなります。
ステップ4:媒体に反映させる
ペルソナが明確になったら、次はそれをすべての集客媒体に反映させます。
【Instagram】
- プロフィール文をペルソナに向けて書き直す
- 投稿のトーンや言葉遣いをペルソナに合わせる
- 写真の雰囲気をペルソナの好みに寄せる
- ハッシュタグをペルソナが検索しそうなものに変える
【ホットペッパー】
- 店名にペルソナに響くキーワードを入れる
- キャッチコピーをペルソナの求めるベネフィットに変える
- メニュー名をペルソナの悩みに寄り添ったものにする
- サロンからの一言をペルソナに向けたメッセージにする
【ホームページ】
- トップページのキャッチコピーをペルソナに向けて書く
- お客様の声をペルソナに近い人のものにする
- メニューの説明をペルソナの悩みや求めるものに合わせる
【LINE】
- 配信内容をペルソナの興味関心に合わせる
- 言葉遣いやトーンをペルソナに合わせる
すべての媒体で一貫してペルソナに向けた発信をすることで、「このサロンは私のためにある」と思ってもらえるようになります。
ステップ5:テストと改善を繰り返す
ペルソナを設定し、媒体に反映させたら、次はテストと改善を繰り返します。
- ペルソナに近い人が来店してくれているか?
- リピート率は上がっているか?
- 発信に対する反応は良くなっているか?
これらを確認しながら、必要に応じてペルソナを微調整していきます。
ペルソナ設定は、設定したところがゴールではありません。
設定したところがスタートで、リサーチをし、リサーチ結果を言語化し、それを媒体に反映し、テストを繰り返していくまでがセットです。
7. よくある質問(Q&A)
まとめ
美容サロン経営におけるペルソナ設定について、基礎から実践まで解説してきました。
最後に、もう一度ポイントをまとめます。
【ペルソナ設定の本質】
- ペルソナ設定とは、たった1人の理想のお客様を具体的に設定すること
- 美容サロンの場合は、実在するお客様をベースに設定する
- ターゲット設定(属性)ではなく、ペルソナ設定(人生の理解)が重要
【ペルソナ設定をすべき理由】
- 集客の「軸」が明確になり、発信に自信が持てる
- 「価格」ではなく「価値」で選ばれるようになる
- リピート率が上がり、売り上げが安定する
- 「選ばれる理由」が明確になり、ブランドになる
- お店に合ったスタッフを雇うことができる
【よくある失敗】
- ターゲット設定をペルソナ設定だと思い込んでいる
- 実在しない架空の人物を設定してしまう
- 細部への細かい設定にこだわりすぎる
- 自分が理解できない相手をペルソナに設定する
- ペルソナを設定したのに集客媒体に反映されていない
【実践のステップ】
- 実在するお客様を1人選ぶ
- ペルソナ設定項目を埋める
- ペルソナにリサーチをする
- 媒体に反映させる
- テストと改善を繰り返す
ペルソナ設定は、設定したところがゴールではありません。
設定したところがスタートです。
リサーチをし、リサーチ結果を言語化し、それを媒体に反映し、テストを繰り返していく。
この一連の流れを回していくことで、あなたのサロンは、
- 発信に自信が持てるようになり
- 価格競争から抜け出し
- リピート率が上がり
- ブランドとして確立され
- スタッフも定着する
そんなサロンに変わっていきます。
ペルソナ設定で迷っている時間、もったいなくないですか?
悩むなら、やってから悩むようにしましょう。
ペルソナ設定はノーリスクです。
まずは、今いるお客様の中から1人選んで、ペルソナ設定を始めてみてください。
あなたのサロン経営が、今日から変わり始めるはずです。



