ペルソナ設定を真剣に学ぼうとする人ほど、よく陥ってしまう罠があります。
それが「細部を完璧に埋めようとしすぎる」ことです。
ワークシートを前にして、
「出身高校はどこ?」
「高校時代の担任はどんな人?」
「初恋はいつ?」
「初めて飼ったペットの名前は?」
気がつけば、集客や発信とはほとんど関係のないプロフィールづくりに時間をかけてしまっているなんてことなよくあります。
ペルソナ設定って、ルールがあるようでないので、このような沼に嵌るのも仕方ない面があると思います。
もちろん、こういった細かい設定が悪いわけではありません。
細かい設定をするために、相手を理解しようと努力する過程で得られるものはたくさんあると思います。
でも、それが目的になってしまった瞬間、あなたのビジネスにとって意味のない作業になってしまうのです。
細部を埋めることは、理解ではなく“自己満足”になりがち
「高校時代の担任はどんな性格だったか?」
「大学で専攻していたのは文学?経済?」
「初めて海外旅行に行った国は?」
こうした情報が、美容サロンの発信や集客導線の設計にどれだけ役立つでしょうか?
正直に言えば、ほとんどのケースでまったく使えない情報です。
それでも私たちは、ついこうした細部にこだわってしまいます。
なぜなら、細部を埋めていくことで、ちゃんと作っている感じがして安心するからです。
おそらく、真面目な人ほどこの罠に陥ると思います。
坂口もあえて細かい質問をする理由
実は僕も、コンサルティングの現場で、
「その人はどんな家に住んでる?」
「その人の子供の誕生日は?」
といった細かい質問をすることがあります。
でもこれは、その情報を使うためではなく、どれだけ相手のことを理解しているのかを見るためです。
ペルソナの理解度を確認するためのワークであって、マーケティングにそのまま活かすわけではありません。
だから、もしあなたが
「細かく考えたのに使い道がない…」
「プロフィールは埋まったけど、集客に変化がない…」
と感じているなら、それはあなたのせいではありません。
本来必要のない情報に時間をかけてしまっているだけ。
ただそれだけなんです。
大事なのは、感情と行動の背景を読み解くこと
お客様の「高校時代の担任」よりも、
「なぜこのサロンを選んだのか」
「どんな悩みを抱えていたのか」
「どんな言葉に心を動かされたのか」
こうした行動の裏側にある感情のほうが、よほどサロン集客には役立ちます。
✔自信がないのを隠すために、毎日アイラインを引いている
✔すっぴんを見せるのが恥ずかしくて温泉旅行を断った
✔会社で若い子と並ぶたびに年齢を感じてしまう
こういった本音にフォーカスできると、発信の切り口も、提案の言葉も変わります。
完璧より“共感”を目指すペルソナ設定を
あなたの時間とエネルギーは、「高校時代の担任」を考えるためにあるわけではありません。
大事なのは、「この人の気持ち、わかるかも」と思えるリアルな相手像を設定することです。
だからこそ、細部を完璧に埋めることではなく、“相手の感情にどこまで寄り添えるか”にフォーカスしてください。
情報の多さより、共感の深さ。
これが、あなたのサロンを選んでもらえるペルソナのつくり方です。